Windows11のWSL(Windows Subsystem for Linux)について、初期構築が楽なので、色々と実験をしては、ディストリビューションの再インストールを不定期で繰り返している。
最近も色々と実験した結果、WSL内のDebian環境がぐちゃぐちゃになったので、一旦綺麗にしようと思い、ディストリビューションの再インストールをしてみたら、Debianのバージョンが最新の13に上がっていて、ちょっと驚いた。

想定する読者
- WindowsのWSL2について、ある程度ご存じの方。
- LinuxやDebian GNU/Linuxについて、ある程度ご存じの方。
【目次】
【広告欄】
WSL2で利用できるDebianについて軽く語る
記事冒頭のスクリーンショットについて、テキストで記載すると、下記の通り。
$ cat /etc/os-release PRETTY_NAME="Debian GNU/Linux 13 (trixie)" NAME="Debian GNU/Linux" VERSION_ID="13" VERSION="13 (trixie)" VERSION_CODENAME=trixie DEBIAN_VERSION_FULL=13.0 ID=debian HOME_URL="https://www.debian.org/" SUPPORT_URL="https://www.debian.org/support" BUG_REPORT_URL="https://bugs.debian.org/"
これまで、WSLのDebianって、最新版からバージョンで言うと1~2くらい古かったので、今回の速さはちょっと意外。
公式サイトのニュースリリースに、2025年8月9日付けで「Debian 13 trixie released」の記載があったので、このタイミングでWSL側も更新されたものと思われる。
気付けばWSL2にインストールできるディストリビューションも増えている
なお、WSLは当初こそインストールできるディストリビューションがUbuntuなど一部に限られていたが、今やOracle Linuxなども使える。
記事執筆時点(2025年8月25日)の一覧を載せてみる。
>wsl -l -o インストールできる有効なディストリビューションの一覧を次に示します。 'wsl.exe --install <Distro>' を使用してインストールします。 NAME FRIENDLY NAME AlmaLinux-8 AlmaLinux OS 8 AlmaLinux-9 AlmaLinux OS 9 AlmaLinux-Kitten-10 AlmaLinux OS Kitten 10 AlmaLinux-10 AlmaLinux OS 10 Debian Debian GNU/Linux FedoraLinux-42 Fedora Linux 42 SUSE-Linux-Enterprise-15-SP6 SUSE Linux Enterprise 15 SP6 SUSE-Linux-Enterprise-15-SP7 SUSE Linux Enterprise 15 SP7 Ubuntu Ubuntu Ubuntu-24.04 Ubuntu 24.04 LTS archlinux Arch Linux kali-linux Kali Linux Rolling openSUSE-Tumbleweed openSUSE Tumbleweed openSUSE-Leap-15.6 openSUSE Leap 15.6 Ubuntu-20.04 Ubuntu 20.04 LTS Ubuntu-22.04 Ubuntu 22.04 LTS OracleLinux_7_9 Oracle Linux 7.9 OracleLinux_8_10 Oracle Linux 8.10 OracleLinux_9_5 Oracle Linux 9.5
個人的には、Alpine LinuxもWSLの仲間に加えて欲しいと思う。
参考/WSL2のディストリビューション再インストール手順
当ブログよりも専門的知識を記載したブログは多数あるが、私なりにWSL2でのディストリビューション再インストール手順を記しておく。
なおネット世界は、私たちが思う以上に移り変わりが激しく、この記事の内容も数年後には古い情報になっているかも知れないことは、先にお断りしておく。
1. 必要に応じて、現行環境のバックアップを取る。
新しい環境でも使用したいシェルスクリプトや、Gitの設定ファイルなどを残しておきたい場合、バックアップを取って外部保管しておく。
もちろん、バックアップの必要がない方は省略可。
なお申し訳ないが、バックアップの詳細については割愛。tgzにでも圧縮してWSLの外、Windows環境にでも保管してもらえればと思う。
2. Windowsのコマンドプロンプトを起動する。
WSLのコンソール画面からはWSLのコマンドは実行できないため、Windowsのコマンドプロンプトを起動する。
Windowsのコマンドプロンプト内でWSLを利用している方に限れば、WSLから抜けて、通常のWindowsコマンドプロンプトに戻る。
3. 現在のディストリビューション名を確認する。
>wsl -l -v NAME STATE VERSION Debian Running 2
念のため、現在利用しているディストリビューションを確認するだけなので、手順を省略しても可。
複数のディストリビューションを使っていて、誤って必要なディストリビューションを消さないよう、ここでNAME列の名称をテキストコピーして、この後に説明する登録解除時の引数に使用するのもあり。
個人的には、手入力・手打ちはバグやエラーの元凶となるため、本職でなくなった今でも、習慣としてコピペするようにしている。まあ状況によりけりだが。
ちなみに一覧内にある「VERSION」列の数字は、WSLのバージョンであって、ディストリビューションのバージョンではない。念のため。
4. WSLからディストリビューションの登録を解除する。
wsl --unregister Debian
ディストリビューションの登録解除に使用する引数は「--unregister」である。
私もよく間違えるが、「--uninstall」はWSL自体のアンインストールとなるので注意。
Windowsの管理者パスワードを聞かれたら、間違いの方を選んでいると思われるので、一旦キャンセルする。
あと「unregister」の末尾「er」も忘れがち。
5. インストールできるディストリビューションを確認する。
>wsl -l -o
実行結果については、本記事の「気付けばWSL2にインストールできるディストリビューションも増えている」にて記載済なので、ここでは割愛。
先の説明と同じく、スペルミスを防ぐため、一覧のNAME列にあるディストリビューション名をテキストコピーして、次の説明で引数として貼り付けるのもあり。
6. ディストリビューションをインストールする。
>wsl --install Debian
コマンド実行後、少し待てば、通常のOSインストールと同様に、ユーザー名とパスワードを聞かれるので、適宜入力して完了。
あとは各自でお好きなように。