今回は、2025年4月~6月に本放送されたアニメについて、実際に作品を観た感想や、補足情報を書き残すことにした。あくまでも個人の感想なので悪しからず。
なお、具体的な作品内容については触れない。いわゆるネタバレなし。
話を始める前に、冒頭からいきなり話がそれるが、実を言うと、当初は当ブログにアニメネタは書かないつもりでいた。
しかし、単にアニメの感想に留まらず、あの時あの頃あんなアニメを見ていたなど、数年後に自分自身を振り返ったり、当時の流行り廃りを感じることも出来るのでは?との思いに落ち着き、今回書くことにした。
若干長文にはなるが、興味あればお付き合い頂ければと思う。(初回公開時点で3100文字越え)
【目次/2025年春公開アニメについての感想など】
前橋ウィッチーズ
公式サイト> https://www.maebashi-witches.com/
題材はファンタジーだが取り扱うテーマは現実的。
私も好きだった実写ドラマ「虎に翼」の脚本家・吉田恵里香氏が脚本を務めたこともあり、メッセージ性の強い作品に仕上がっている。
全体的には主人公・ユイナの性格に表れている通り、明るい内容となっている。
今どきアニメの風潮として、女子高生メンバーが話の中心ではあるが、専門知識を有する特定の趣味嗜好の集まりではない。(個人的に言う「中の人おっさん」「女子高生の皮を被ったおじさん」ではないということ。)
メンバーの女の子ひとり一人に家庭の事情が存在(設定)していて、親の経済力にも違いがあったり、着ている服にも値段が付けられおり、キャラを彩るためだけのアイテムではなく、お金を出して買った商品であることを強調したりと、至る所に金銭的なリアリティを感じる。
おばあちゃんが頻繁に登場するだけでなく、自分たちがおばあちゃんになった頃を一瞬想像したりと、歳を取るという概念が作中に存在する。併せて、スタイル抜群な若い女の子ばかりの世界といった、最近の映像作品に対する懸念も感じ取られる。
詳細は書かないが、最終話Bパート前半のオチはどうかと思う。梯子(はしご)を外された感がする。
最終話に於いて、Aパート、Bパート、Cパートとメタ的なセリフが出てきたが、当然作中には関係なく、制作側がどういう意図を持って使ったのであろうか。
通常の2Dパートと歌唱シーン(ウィッチバース)の3Dパートで、キャラに違和感を覚える。アンソロジー作品かと思う時もある。特にユイナの顔。(EDも少し違うか)
いわゆるご当地アニメではあるが、前橋自体は大自然あふれる観光地ではなく、良くも悪くも普通の地方都市。特に前橋中心部は商業ビルや民家の並ぶ市街地なので、観光資源は少ない。ただ作中度々訪れる広瀬川沿いの遊歩道は、柳並木があって風情があり、全体によく整備されている。聖地巡礼のご参考まで。
作中に一番良く出る前橋中央商店街は、まさに作中通りの人通り。但し大阪や神戸の有名商店街レベルを期待すると大外れする。且つ、隣接する他の商店街に関しては、残念ながら他の地方商店街同様、廃墟化している。
地元あるあるかも知れないが、実は前橋駅より、キョウカの通学ルートと思われる高崎駅のほうが商業的に発展しており、買い物も便利。
個人的に嬉しかったことは、スタッフロールで、ロマのフ比嘉氏と吉田初三郎の名前を見れたこと。
LAZARUS ラザロ
公式サイト> https://lazarus.aniplex.co.jp/
ネットのインタビュー記事(どの記事か失念)で、監督・渡辺信一郎氏が「カウボーイビバップとは世界観が違う。キャラのカメオ出演もない」と早々に否定してくれたおかげで、純粋に1本のアニメとして見る事ができた。というか、その記事を読んでいなければ、単純に「カウボーイビバップ」の二番煎じと思い込み、見ることはなかったと思う。
ストーリー前半は軽快な流れで笑いを取るポイントも多かったが、後半になるとメンバーの真面目な過去話が増えるせいか、お笑い要素はなくなり、淡々と話が進む。
モーションキャプチャーを活用した3DCGではなく、実写映像をあえて手書きに起こしたというアクションシーンに期待していたが、結局のところ、コンピューターを使ってデジタル合成(コンポジット)するので、1話を除いて、ただのアクションシーンという感想しか残らなかった。
アニメ本編とは関係ないが、山寺宏一と林原めぐみの「カウボーイビバップ」出演コンビと、内田真礼と内田雄馬という実の姉弟コンビが存在する。
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました ~そのに~
公式サイト> https://slime300-anime.com/
原作ラノベは読んでいないが、1期のちょっとメッセージ性もある内容がとても好きだっただけに、2期のネタ切れ感が半端なかった。さすがに見るに耐えられず、途中で見るのを止めた。
そういえば、アニメではなくコミカライズ版のほうであるが、温泉シーンでの描写が不愉快に感じ、それ以降読むのを止めた経緯がある。どこで読んだか忘れたが、ラノベ原作者にも「家族を大切にして欲しい」と苦言を呈されている。(少なくとも私は「苦言」と読み取った。)
アポカリプスホテル
公式サイト> https://apocalypse-hotel.jp/
何はともあれ、漫画家の竹本泉。今回はキャラ原案だけに関わっているようだが、久し振りにアニメで名前を見た気がする。ちなみにアニメ企画が立ち上がっては、なぜか立ち消えする、ある意味何かを持っている漫画家さん。うじゃうじゃ。(←竹本氏がコメントで良く使う締めのひと言。)
序盤の世界観こそ竹本泉の「ねこめ~わく」シリーズと同じ終末世界だが、どんどん独自の方向に突っ走っていく。
1期の作中で設定がブレまくるというか、後出し設定が多すぎるアニメも珍しいのではないか。特にポン子の設定について、初出では弟と一緒に無邪気に遊ぶキャラだったのが、どんどんキャラが立って、設定が上書き更新されていく。
作中最初に出てくる宇宙人は、視聴者から見ると、言葉が分からないこともあり、個々の行動の意図も読み取れず、ミステリアスな部分もあったが、設定に疲れたのか、その後出てくる宇宙人は普通に人間同様の行動をしている。
とある回について、架空のキャラクターとして作られた宇宙人・異星人とは言え、仏さんをぞんざいに扱い過ぎではないか?制作陣の倫理観の欠如を感じる。
その他アニメ
以前から話題になっていたのは知っていたが「薬屋のひとりごと」をやっと見る事ができた。ただ、まだ1期の後半までしか見ておらず、2期の感想に触れられないので、今回はパスとした。
時期的に「前橋ウィッチーズ」と魔法ものが被ったという理由で「ウィッチウォッチ」は見ていなかったが、個人的に今でも大好きなアニメ「彼方のアストラ」と同じ作者・篠原健太氏の作品ということを6月に入ってから知り、今後時間があれば見てみようと思っている。もっともWikipedia記事冒頭をさらりと読んだ限り、ただの中二病作品にも感じるが。
(2025年7月1日更新:文言を一部修正)