~歳月人を待たず~

旧ブログ名:歳月不待(さいげつふたい)

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ネガフィルム現像とデジタルデータ化

 アパート引越時に捨てきれず、今の自宅に持ってきたフィルムカメラ。先日やっと持ち出すことができ、自由気ままに撮影後、ネガフィルムの現像とデジタルデータ化を行った。とは言っても、お店でやってもらったのだが。

 今回フィルムの現像をお願いしたのは、近所にあるカメラのキタムラさん。フィルムの現像とスマホ転送をセットでお願いした。

 ちなみにスマホ転送というのは、ざっくり説明すると、現像されたフィルムをスキャナーで読み取り、画像ファイルにしたものを、スマートフォンの専用アプリでダウンロードするサービスのこと。

 私が出向いたお店は、店舗内にフィルムの現像設備を持っており、現像とデジタル化を一手に引き受けて作業して頂けるので、フィルムを預けてから2時間程度で仕上がった。

 ところで、今回は35mm判のフィルム、いわゆるフルサイズセンサーと同じ撮像サイズなのだから、画質にも少し期待していたのだが、結論から言うと、1/2.3インチセンサーの格安コンパクトデジカメと大差ない感じだった。

 画質が思ったほどではないと感じた最大の理由は、デジカメ画質に慣れ過ぎていること。密度的には、フィルムの粒子よりもイメージセンサーの画素の方が細かいということだと思う。良くも悪くもデジカメは綺麗に写り過ぎるから。

 次に、これも画質に多少影響していると思うが、フィルムスキャナーの性能。店舗のフィルムスキャナーがどのような製品なのかは存じ上げないし、公表もされていない以上、ここで推測を書くのは避ける。ただ、フィルムスキャナーの性能が良くても、肝心のフィルム画質が良くなければ、ある意味オーバースペック、つまり過剰性能になりうる。


 もし、フィルムのデジタル化に対して、店舗サービスに頼らず自力で対応するというのであれば、一番手っ取り早いのが、市販されているフィルムスキャナーを購入すること。要はお金を出して自分で装置を買うこと。

 ただ、一般的に流通している1~2万円台のフィルムスキャナーは、価格帯が示す通り、イメージセンサーが1/2.3インチであることがほとんどだと思う。

 もし1/2.3インチセンサーでは不満だということであれば、デジカメ本体とマクロレンズを使えば、フィルムスキャナーの代わりになるというか、多分、画質を優先される方はこっちの方がメインだと思う。

 ちなみにデジカメを使ってフィルムのデジタル化を行う場合、私の知りうる限り、方法は大きく2つ。

 ひとつはレンズの前に専用の機器を取り付けてフィルムを撮影する方法。ただこちらはレンズごとに専用の機器が必要であり、ごくまれにオプション品が販売されているようだが、正直言ってニッチ過ぎて入手は絶望的。このオプション品のためにわざわざカメラとレンズを買い揃える方もいないだろう。

 もうひとつの方法、こちらの方が主流だろうが、トレース台ライトテーブルなど面発光する機材の上にフィルムを置いて、デジカメをスタンドに固定して撮影する方法。印刷物などと違ってフィルムの背面から光を当てて撮影する必要があるため、機器全体としては大掛かりになってしまう。そして物にもよるだろうが、一式揃えると万単位のお金が軽く飛ぶ。

 更に、上記のような設備を揃えたとしても、ネガフィルムの場合はネガポジ変換が必要なので、PhotoshopやAffinity Photoなどの画像処理ソフトが必要になってくる。もうひとつついでに書くと、画像処理に関するスキルも必要。

 そして何より、1枚ごとの撮影になるため、とてつもない手間と時間がかかる。36枚であれば単純計算で36倍の手間と時間がかかる。面倒くさがりの私なら御免被る。

 それこそ、歴史的・学術的に重要なフィルムでもない限り、ここまでの手間と時間と費用をかける必要はないと思う。そう考えると、一周回って、市販のフィルムスキャナー案が一番コストパフォーマンスも良く、フィルム手差しなど若干手間は残るがアリだと思う。


 あと、店舗・自前共通の問題だが、それはホコリ問題。マクロ撮影したことがある方ならご存じかと思うが、撮影時に肉眼で目視できなくても、マクロ撮影すると、思いのほかホコリが写り込んでいることがある。フィルムを拡大撮影する必要がある以上、容易に避けられない問題だと思う。

傷もあるがマクロ撮影時にホコリが写り込んでいる図

 店舗でもフィルムのデジタル化をする前にフィルムからホコリを除去してから撮影されているとは思うが、店舗は精密部品を扱う工場のクリーンルームではないので完ぺきではない。それに1枚1枚撮影して確認して、ホコリを除去して撮影し直して…なんて手間はかけないだろうし、そんな事を期待していると最終的に利用者が支払う費用が跳ね上がる一方であろう。


 なんか、書いているうちに壮大な話になってしまったが、フィルムのデジタル化に関して結局のところ、利用頻度が少なければ、お店にお願いするのが一番安上がりで時間節約にもなると思う。まさに当ブログ名の由来である「歳月人を待たず」といったところか。

 オチがついたところで、今回はここまで。


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