また翌日になってしまったが、ラジオ番組の感想というか、ラジオ番組を聴いて思ったことを、そこはかとなく書く。
今回取り上げるのは、NHKラジオ第1で放送された「高橋源一郎の飛ぶ教室」2025年10月24日放送回。
【広告欄】
番組前半「ヒミツの本棚」
番組前半の「ヒミツの本棚」で紹介された「密航のち洗濯 ときどき作家」。今回はじっくり聴いていたはずなのに、いざ感想を書こうと思っても、大雑把にしか思い出せない。
ただ、ひとつ鮮明に覚えている言葉がある。
コーナー終盤で語られた「誰かが残さないと忘れ去られてしまうから」という言葉。
私自身、時々忘れるが、本ブログを始めたきっかけが正に「誰かが残さないと忘れ去られてしまうから」という思いからだったので、この言葉を源一郎さんが話された際に「ああそうだった」と改めて思い出した次第。
あと、離席した際に思い出したが、人が亡くなったあと、残された物や道具はどうするか。捨てるのか、残すのか。それを決めるのは残された者たち。という話もあったと思う。
私も生まれてから半世紀が過ぎ、医学的にはまだ若いと言われても、(事故や突然死を除き)お迎えの時期は静かに少しずつ近付いてきている。
それに、大事にしている物や道具よりも、不用品のほうが遥かに多いと私自身が思っているので、子供たちに手間をかけさせないよう、少しずつでも断捨離を進められればと思う。
番組後半「きょうのセンセイ」
個人的には後半のコーナー「きょうのセンセイ」が非常に楽しみだった。
なぜなら、ゲストが地図研究家の今尾恵介さんだったから。
私が今尾さんの著書に出会ったのは、去年の夏か冬に、大阪の実家に帰省した時。
新幹線に乗った時の時間潰しに本でも読もうかと思い、大阪・天王寺の本屋さんで色々探していた際に「地形図でたどる日本の風景」というエッセイ的な本に出合ったのがきっかけとなる。
話を番組に戻す。
冒頭で話があったが、過去に放送されていたNHKラジオ朝の番組「スッピン!」で、源一郎さん担当回に今尾さんがゲストで呼ばれたものの、口永良部島の噴火に関するニュースで番組中断を余儀なくされ、10年越しに実現した対談とのこと。
地形図との出会いや、「敏道(としみち)市」という、弟さんの名を冠した架空都市の地形図を自作した話などが出たが、この辺りの話は「地図バカ」(中公新書ラクレ/中央公論新社)という新書に、写真付きで紹介されているので、興味あるかたはぜひ。
番組内でも騒然としていたが、中学生が作ったとは思えないくらい緻密な自作地形図は、ぜひ本で見てもらえればと思う。
そして当時中学生だった今尾さんを虜にした2万5千分1地形図だが、現在はネット上で地理院地図でも見れる。
以下に、2万5千分1地形図とほぼ同じ情報量と思われる、ズームレベル15での東京・渋谷、NHK周辺の地形図へのリンクも貼っておくので、ご参考まで。
だが個人的には、本物というか、紙の2万5千分1地形図をお勧めする。

とにかくパソコンやスマホの画面で見るより遥かに緻密。一度に見れる範囲も広い。そして情報量の割にとても安い。柾判・多色刷りで税込435円(2025年10月17日時点)。
コンビニのマルチコピー機で地図を印刷できるサービスもあるが、本当に緻密さの次元が違う。
2万5千分1地形図を見てからマルチコピー機の印刷物を見ると、網点がスカスカすぎる。且つ、多色刷りと4色刷りとの差が歴然。
地形図の取扱店については、モールやショッピングセンターなどに併設された大型書店に行けば、だいたい取り扱っていると思う。
あとは日本地図センターなどでネット購入もできる。
なお一応書いておくが、店頭販売時は1枚の大きな紙なので、お金を払うまでは大事に丁寧に扱うこと。あくまでも売り物であることを忘れずに。
もちろん本屋で平積みされている本の上に自分の荷物を置くなんて言語道断。
最後は番組の感想と言うより、地形図や本の話になってしまった。それくらい地形図は初見者に驚きと感動を与える代物だということで。


