本のタイトルは、結果的なもの。

実のところは、自己不信に陥って自分の居場所が分からなくなり、鬱(うつ)や摂食障害、あと部分ハゲに悩んだ作者の、立ち直るまでのお話。
※当記事末尾に追記あり
ただ、同性愛要素やエロ要素がゼロかと言われると、ゼロではない。
語彙力のない私には、ちょっと表現が難しい。
いずれにしても、タイトルの「さびしすぎて」は、友達や異性がいない「寂しさ」ではなく、どちらかと言うと、慈愛(じあい)的な感覚を想像してもらえれば良いように思う。
タイトルだけで内容を決めつけて、忌み嫌ったり避けたりすのは、もったいない作品。
本書を知ったきっかけなど
アニメ関連でWikipediaの記事を読んでいた際に、たまたま本作の記事に辿り着き、興味が湧いてKindleコミックで買って読んでみた、という次第。
ちなみに今から10年ほど前に初版発行された作品。
表紙違いで同じ作品名があるけど、これは2022年に文庫化されて、表紙が変更されたため。
国内での評価が高いだけでなく、英語版も発売されており、海外で漫画賞を2つほど取っているとのこと。
本書の感想など
タイトルだけ見ると、ただの同性愛ものと思われるかもしれないけど、最初にも書いた通り、作者の闘病記的な内容が中心。
その過程でレズ風俗に行く一大決心をして実行に移す、といった感じ。
一応、絡みの場面もあるけど、ファンタジー(幻想)と現実との対比や、日本の性教育の未熟さなどを訴える内容にもなっていると思う。
全体を通して、画(え)が整っている訳ではないけど、多少粗くても、ちゃんと読者には伝わる画だし、時々笑わせてくれるところもある。
何より、言語化してくれたおかげで、読者にも作者の苦しみが伝わりやすいと感じた。
私は言語化がヘタなので、うらやましく感じる。
実を言うと、私も精神疾患など、見た目で分からない症状で苦しんでいた時期があるので、他人に伝わらない苦しみを言語化して、漫画として表現して下さったことに、心より感謝したいと思う。ありがとうございます。
なお、タイトルの件。作者がなぜレズ風俗に行くことになったかは、作者の自己分析も含め、作中で描かれているので、興味がある方はぜひ作品を読んで頂ればと思う。
さいごに
文庫版で加筆されたという「あとがきにかえて」では、執筆時点で34歳となった作者が、3人への感謝の手紙を漫画で描いているけど、涙なしでは読めない。(涙もろいお年頃なもので。)
もちろん、本編に於いても、涙する場面が多々ある。
初版発行が10年前という事もあり、人によっては今更感もあるかもしれないけど、個人的には、久々に胸に響く作品に出合えたと思う。
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追記:更なる地獄と束の間の希望
その後発表された作品を読み進めると、自責の念に駆られて後悔するほど画力が下がったり、酒に溺れて体を壊して入院したけど色々あって逃亡したりと、解決どころか悪化の一途を辿ってる感がある。
だけど、ここでは深く語らない。
ただ出来る事なら、文字通り自分を切り売りするような漫画はもう止めて、日常に幸せを見つける様な漫画を描き続けてもらえればと、願わずにはいられない。